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2011年4月5日火曜日

読書:原発とプルトニウム



常石敬一(2010)原発とプルトニウム-パンドラの箱を開けてしまった科学者たち.280pp.PHP研究所,東京.

を読みました。

この本のメインは
原発とプルトニウムの技術的な解説ではなく、
どちらかというと、
X線を発見したレントゲンから始まり、
原爆、原発の開発に至る科学史に関するものです。


放射性物質の研究の黎明期に
その不思議で、とてつもない能力を少しずつ明らかにしていったときの
科学者の興奮がよく伝わってきて、
私自身、まるでその場に立ち会っていたかのような感動が味わえました。


一方で
発展期には
放射性物質の研究が政治、おもに戦争に利用されはじめ、
原爆の開発に関わった科学者たちの苦悩が描かれていて、
とても興味深かったです。


当時の科学者にとって
原爆の開発は
成功すれば
敵国の非常に多くの人を殺すことになるのでヤメたいという思いと、
原爆の開発競争に敗れたら、
自国の非常に多くの人が原爆で殺されることになるので、
一日も早く原爆を開発しなくてはならない、
という相反する思いがあったようです。


私が当時の研究者だったらどうしたでしょうか?
自国を助け、敵国を倒すために原爆の開発に参加したでしょうか?
自国を滅ぼされることになっても、多くの人を殺す原爆の開発を拒否したでしょうか?


原発の実験に成功したあと
ベインブリッジという研究者は他の研究者にむかって、
『おれたちはどいつもこいつもくそったれだ。』
と言ったのが、
とても切なかったです。



タイトルと内容が若干合ってないような感じもしましたが
全体的にとても面白かったです。

2011年2月3日木曜日

読書:日本人の英語

マーク・ピーターセン(1988) 日本人の英語.岩波書店,東京.



を読みました。


ここがおかしい日本人の英語、ということを
全20章にわたって書かれており、
その内容は
冠詞や前置詞、副詞、完了形や先行詞など
多岐にわたっています。


どの章を読んでも、
そうだったのかー、と膝を叩いてしまうことばかりで、
いかに自分の使ってきた英語が
間違いだらけであったのか痛感させられました。


とくに今までは、
冠詞の”a”や”the”なんて単なる飾りみたいなもんでしょー?
とか
前置詞なんて、どれ使ってもエエやん!
なーんて思っていましたが、
英語において、冠詞や前置詞がいかに重要な位置を占めているものであるか
よくわかって面白かったです。



ひさびさに英語の楽しさがわかったような気になった一冊でした。

2010年10月29日金曜日

書いて稼ぐ技術

私が住んでいるところでは、
先日、雪が降りました。

山では雪が5 cmほど積もっているのですが、
仕事があるので山に行かないわけにはいきません。
手がかじかむぐらい寒い山の中を歩いていると、
ふと、インドアの仕事っていいなぁ、
なんて思ってしまいました。

そんな思いを胸に、思わずこんな本を読んでしまいました。

永江 朗(2009)書いて稼ぐ技術.224pp.平凡社,東京.



長年、フリーライターとして働いてきた著者が
文章の書き方などではなく、
人にお金を払ってでも読みたいと思わせる記事を書くための心構えや
その記事を本に載せるための、出版社の人との付き合い方などを
述べていました。


書いて稼ぐためには
人と違うことをしろ、
と、当たり前のことしか書いてなかったのですが、
著者はこの当たり前のことを、
他の人とはちょっと違う視点を交えて述べており、
そのため、
当たり前に思えるようなことでも楽しく読めました。


また、この著者のいくつかの考え方について
ほんとにそうなの?
と思うところもあったのですが、
そういう考え方もあるのか〜、
と思うところもあって、面白かったです。


はっきり言って、
この本を読んでも、書いて稼ぐ技術は身につかないと思います。
本当にモノを書いて食っていきたかったら、
こんな本を読まずに、
まず書いてみることが大事だと思います。

そして行き詰まったときに
この本を読んで頭を冷やすのがいいのかな?と思いました。



ちなみに
誤解されないように言っておきますが、
私はモノ書きになる気はありませんよ。
寒いのは大嫌いですが、
山仕事は好きですから。

2010年4月22日木曜日

見た目は大事だよ~♪

見た目って大事です。
この人は怖そうだな、っと思ったら近づきませんし、
ミニスカート(とくにひらひらのやつ)のお姉ちゃんには無意識に近づいてしまいます(^^;。

見た目は人だけでなく、モノやお店にとっても大事です。
北海道には、コーチャンフォーという本屋があるのですが、
外観はどうみてもパチンコ屋にしか見えません。
コーチャンフォーは書籍の品揃えも接客サービスもよいのですが、
私はパチンコ屋だと思い込んでいたので、
最近まで行ったことはありませんでした。
見た目は、見た人にその中身を想像させるものなので、
中身にふさわしい見た目をつくりあげることが、誤解されないために大事なんだと思いました。




さて、
先日、そのパチンコ屋みたいな本屋で
長谷川アンナ(2009)GIMPのドリル.ソシム株式会社,東京.

を購入しました。


GIMP("ぎんぷ"と読む)とは、パソコン上で絵を描いたり、写真を編集したりすることができるソフトであり、
この本では、その使い方について解説しています。


この本の良かった点として、
とてもわかりやすかったことです。
基本的なことについても、かみくだいて細かく説明してあるので、
私のようなド素人にもよく理解できました。

反面、初歩的すぎるかな-、と思うところもあったのですが、
日常的に利用する機能については一通り解説があり、
GIMPの基礎を習得するにはちょうど良かったです。


今後は少しでも見た目のいい写真や絵をつくれる・・・かな?

2010年3月22日月曜日

動物たちの反乱


河合雅雄・林良博(2009)動物たちの反乱 増えすぎるシカ、人里へ出るシカ。PHPサイエンスワールド新書、東京。

を読みました。

最初は近年、被害が増えた原因やワイルドライフマネジメントに関する総論からはじまり、
各野生動物による被害の現状や防除方法などの各論、
そして
被害を受ける人たちの野生動物に対する意識や
日本人の動物観などが述べられています。


読んだ感想として、
まず
動物による被害を防ぐ方法はたくさん存在しており、
有効に活用されれば、かなりの効果をあげることができるという印象を受けました。

ただ、
防除対策には多大な労力が必要とされるのですが、
その労力を費やす価値をなかなか地域の人たちに理解してもらえず、
その結果、
防除対策がうまく機能していないようでした。

逆に
防除対策の有効性を地域の人に理解してもらうことこそが、
動物による被害を防ぐために、今後重要になってくるものと思いました。


この本のおもしろかった点として、
被害を受ける人の考えや
日本人の動物観について述べている点です。

このような人間の動物に対する意識を掘り下げている本は
あまりなかったと思います。

その中でもとくに興味深かったのは、
被害を受けている人の中には、
動物をかわいくて憎めない、と思う気持ちから
被害を許容している点でした。

このように
被害を許容する意識があるからこそ、
被害対策に関する地域住民の理解が得にくいのかなぁ、と思いました。



全体的に
読みやすく、自然に興味がある人であれば
面白い本だと思います。

2009年12月28日月曜日

ダーウィンの思想


実家に帰る飛行機の中で岩波新書のダーウィンの思想を読みました。

面白かった点として、
本の帯にもあるように、生き物の誕生は神によるものではなく、
偶然の積み重ねと自然淘汰によるものであることを、ダーウィンが徹底的に説明しているところです。

ダーウィンの説がじょじょに受け入れられていった後も、ヒトだけは他の生き物と異なり神が創ったものである、と著名な科学者たちが考える中、ヒトも他の生き物も同じであるとするダーウィンの説明が圧巻でした。

ダーウィンよりも先に生き物の誕生と進化について論じた人はいたのですが、ダーウィンが一番有名なのはヒトだけは特別と考えられていた時代に、ヒトも他の動物も同列にしたからなんだと思いました。


また、
ダーウィンの思想を形作る事になった生き物たちの話も面白かったです。自然淘汰によって種が分かれていった、もしくは分かれていく途中と考えられる生き物の話はわくわくしました。生き物ってほんとにスゴイと改めて思いました。



今年読んだ本では一番面白かったです。

2009年7月2日木曜日

物理学とはなんだろうか

朝永振一郎 (1979) 物理学とは何だろうか (上)(下). 236pp. 岩波書店, 東京.

を読みました。


内容のほとんどがちんぷんかんぷんでした(^^;)。
いままでの物理学者たちがどれだけ苦労して新たな法則を見つけてきたのか、
についても書かれており、
そういうところは物理学がわからない私でも楽しかったです。


個人的に一番興味を引かれたのが次の一文。

普遍的法則を求めるために自然を非常にかえるような実験をして、そして異常な世界を目の前に展開するというような科学のほかに、われわれの日常の自然そのもののなかに、つまり異常でない日常の世界のなかで、実験などしないで法則を見つけ出すという性格の科学が、物理学のなかにおいてさえあるわけです。

これは正直意外でした。
物理学のように、いわゆるハードな科学には、実験などしないで法則を見つけ出すことなんて無い、
と勝手に思っていました。
たしかに、
生態学のように、いわゆるソフトな科学においても、実験などしないで法則を見つけ出す以外にも、
実験をして普遍的法則を明らかにしていくこともありますしね。

きっとどの分野においても、両方の性格の科学が存在するのでしょうね。
ただ単に現時点において、
物理学では実験をすることが多いし、
生態学では実験をしないことが多い、
というだけのことなんでしょう。




そして、

普遍的法則を追求する科学というのが一時は、少なくともある時期は、もう一つの面の科学に席を譲るということは起りうるんじゃないかという感じを私はもっております。

これもおもしろいですね。
単純な系で実験して明らかにしたことが、
日常という複雑な系でどのように振る舞うのか、
とても大事なことですし、とてもおもしろいことだと思います。


単純な系で得られた結果を複雑な系に返す、
複雑な系で得られた結果を単純な系に返す。
生態学ですが、
私の先生がよくそう言っていたのを思い出しました。

2009年5月17日日曜日

森林と人間

石城謙吉(2008)森林と人間―ある都市近郊林の物語. 213pp. 岩波書店,東京.

を東京に行く道中に読みました。

読んだ感想として、

「こんな仕事がしたい!」

と思いました。


北大のもっている、苫小牧演習林(大学が持つ森を演習林といいます)において、
荒れ果てた演習林を広葉樹の多い、市民にとっても研究者にとっても、そして林業的にみても
価値の多い森林にしていく過程がつづられています。

演習林が新しく生まれ変わっていくにつれて、
多くの動植物が住むようになり、
多くの市民も憩いの場として訪れるようになったいうことは、
とてもうれしく、そしてものすごく楽しかっただろうな―、と思いました。


そして、
この著者もいっていますが、
「こういう仕事は大学の演習林だからできた、という訳では必ずしも無い!」
ということを常に心において、
明日から仕事をしていこうと思いました。